NBAでは、スター選手もロールプレイヤーも多くが複数年契約を結んでプレーしています。
しかし契約が最終年に近づくと、選手たちはある“決断”を迫られるのです。
それが、「契約オプションを行使するか否か」という選択です。
✅そもそも「契約オプション」とは?
NBAには大きく3つの“契約オプション”が存在します。
種類 | 決定権 | 内容 |
---|---|---|
プレイヤーオプション | 選手 | 最終年を 自分で残るか選べる |
チームオプション | 球団 | 球団が選手を 引き続き保有するか決める |
ミューチュアルオプション | 双方 | 両者合意が必要な延長 |
今回はその中でも、近年特に増えている「プレイヤーオプション」にフォーカスします。
🧠プレイヤーオプションの仕組みと狙い
プレイヤーオプションとは、契約最終年に選手自身が「その年の契約を継続するか、破棄してFAになるか」を選べる制度です。
👉「このまま1年残るか、FA(フリーエージェント)になるかを選べる」
選手にとっては次のようなメリットがあります:
- 成績が良ければオプションを破棄し、より高額な契約を狙える
- 市場が冷えていればオプションを行使し、収入を維持して1年延命できる
また、行使の判断は通常、その契約の最終年の前の夏、つまりシーズン終了後に行われます。
たとえば2026–27年シーズンがプレイヤーオプションの年なら、2026年夏に行使を決定します。
🟨具体例:オースティン・リーブスの選択
2025年6月27日「オースティン・リーブスがレイカーズからの4年8,920万ドルの契約を辞退」というニュースが飛び込んできました!これはプレイヤーオプションを持っているリーブスの判断としてどのような意味を持つのでしょうか
まずはレイカーズのガード、リーブスの契約を見てみましょう。
- 2023年にサインした4年契約(約5,400万ドル)は2025–26シーズン終了まで続く
- 2026–27シーズンはプレイヤーオプション(約1,490万ドル)が設定されている
2025年のオフシーズン、レイカーズはリーブスに対して「4年約8,920万ドルの契約延長」を提示しました。
これは、現在の契約が終わった2026–27年シーズンから始まる新たな契約です。
なぜ延長契約は「既存契約終了後」から始まるのか?
NBAの労使協定(CBA)では、既存契約の途中で延長契約を結ぶことができますが、これはあくまで現在の契約の後に追加されるものです。
そのため、リーブスの現在の契約(2023–24〜2025–26)はそのまま続き、延長契約は2026–27シーズンから始まります。
なぜ今「延長契約」が提示されたのか?
- プレイヤーオプションを持つ選手は、2026年にFAになる可能性がある
- リーブスの市場価値は上昇中で、現契約より大幅な年俸アップが見込まれる
- CBAのルールで、延長契約の上限は現契約の140%までと決まっているため、今が最大の提示額
そのため、レイカーズは「市場に出る前に、可能な限り早く囲い込みたい」という意図で延長契約を打診しました。
🧩なぜオプション付き契約が増えているのか?
レブロン・ジェームズやカイリー・アービングなど、スター選手の間では「1+1契約」(1年契約+プレイヤーオプション)が増えています。
理由は、
- 市場動向に応じて毎年契約を見直せる
- チームの補強状況を踏まえて移籍や残留を決められる
- サラリーキャップの上昇にあわせて収入を最大化できる
など、選手にとって自由度が高く、戦略的な契約形態だからです。
📘まとめ:最終年に近づく選手の選択は“戦略”である
複数年契約の“終わり”は、キャリアの重要なターニングポイント。
- 安全に残るか
- リスクを取ってFA市場に出るか
その判断は、選手が自分の価値を最大化するための戦略的決断です。
オースティン・リーブスのように「今は延長契約を断る」という決断も、未来のチャンスを信じた“勝負の一手”なのです。
契約の仕組みを理解することで、NBAの契約ニュースやFA戦線をより楽しめるようになるでしょう。
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